地元の企業のインターンとして、企業から出されるミッションにチームで挑戦する課題解決型の学習プログラム『地元企業インターンワーク』。
本レポートは、2019年度に『地元企業インターンワーク』に取り組んだ八千代松陰高校の生徒のみなさんを対象に実施したアンケートの結果をまとめたものです。
インターンに取り組んだみなさんからいただいた感想を集計・分析してワークの内容を改善すること、探究学習やキャリア教育の基盤づくりに貢献することを目的としています。
概要
[調査期間]
・2019年4月1日~2020年3月31日
[調査対象]
・八千代松陰高等学校
[回答数]
・574名
チームワーク力/コミュニケーション力に関するアンケート
1. チームで楽しんでワークに取り組むことができましたか?
2. チームで役割分担をすることができましたか?
◯ チームで分担し、自分の得意なことをそれぞれ生かしてミッションに取り組むことができてよかった。班のみんなでアイディアを出し合うのが楽しかった。
◯ ひとりひとりがしっかりと自分の役割を全うすることができた。また、友達と協力して新商品を開発することもできた。
◯ 最初はみんなが積極的に意見を出すことができずに、話し合う時間があっても思うように進まなかったり、意見が出なかったことがあったけれど、最終的にはみんなが協力して、役割分担できたのでよかった。
ー 87%の生徒が、チームメイトと協力しながら楽しんで課題解決に取り組むことができたと回答しました。感想からは、正解のない課題と向き合い、自分たちならではのアイディアを出すことを楽しんだことがわかります。「チームで役割分担をすることができましたか?」という質問には、82%の生徒が、「とてもよくできた」「できた」と回答。約3ヶ月かけて取り組んだため、感想にも見られるように、最初はできなくても取り組みを重ねるうちに互いの長所が見えてきて、各自がチームの中で適切な役割を果たせるようになったことがわかります。
3. チームで立てた計画に合わせて活動することができましたか?
4. チーム内のさまざまな意見に気づくことができましたか?
◯ 計画的に発表準備をすすめることができ、アイディアの詰まったプレゼンになったと思う。
◯ 企業のこだわりを理解した上で計画を立てたので、それにそって商品の提案を考えることができた。
◯ チームのメンバーは個性的な人が多く、いろいろな意見を出し合っていい企画をつくることができた。
ー 80%の生徒がチームで立てた計画に合わせて活動することができたと回答しました。前年度に取り組んだ『企業インターンワーク』での経験を生かして、より効率的に課題解決に取り組んだことがわかります。「チーム内のさまざまな意見に気づくことができましたか?」という質問には、88%の生徒ができたと回答しました。チームメンバーの意見を取り入れることでよりよい提案をすることができた、といった感想も多く、多様な意見を柔軟に取り入れて企画をつくることの大切さを学んでいました。
課題・発見解決力/プレゼンテーション力に関するアンケート
5. ミッションに応えるために必要なことを調べることができましたか?
6. チームで積極的にアイディアを出すことができましたか?
◯ コーシン乳業の理念や歴史、またプレゼンの事前準備として「牛乳の日」のイベントなどを知ることができてよかった。
◯ みんなで協力して課題について調べられたのがよかった。
◯ 今回の取り組みでは前回より多くの話し合いができて、企画案をたくさん出せたのでとてもいい提案になった。
ー 情報収集について「とてもよくできた」「できた」と答えた生徒が90%いました。小学校の給食などで身近に触れていた企業のことを詳しく調べてみることが、企業や地域の魅力をより深く知るきっかけになりました。「チームで積極的にアイディアを出すことができましたか?」という質問については、80%の生徒が「とてもよくできた」「できた」と回答しました。感想からも、積極的にアイディアを出せたという手応えを感じていることがわかります。先生方からは、前年度よりも活発に話し合いを行う様子に驚いたという声も聞かれました。
7. 調査結果やアイディアを企画にまとめることができましたか?
8. プレゼンの仕方を工夫することができましたか?
◯ 深く調べてアイデアを出し、まとめることができたのでよかった。
◯ 問題の原因や解決策をまとめて企画をつくることができた。
◯ 聞き手の印象に残るようにどうするべきかをよく考えて話し合えた。
ー 87%の生徒が、調査結果やアイディアを企画にまとめることができたと回答しました。感想にも見られるように、企画の背景や解決すべき問題の原因を示すなど、論理性にこだわってわかりやすく伝えるよう努めたこともわかります。また、76%の生徒が、「プレゼンの仕方を工夫することができた」と回答しており、準備の段階からチームで意見を出し合いながらよりよい伝え方を模索。プレゼンでは、フォントやアニメーションを工夫したスライドや、場の状況をとらえたアドリブで聞き手の関心を集めるといった試みも見られました。
職業理解/自己理解/自己肯定力に関するアンケート
9. 自分たちの地域の魅力に気づくことができましたか?
10. インターン先企業についてよく知ることができましたか?
◯ 今回のような機会があったことで、なかなか知ることがない地元の企業について深く知ることができた。
◯ 名前は聞いたことはあるけれど、何をやっているかはほとんど知らなかった「ちいき新聞」のことを、班員と協力して調べていくうちに地域新聞社という企業を知ることができた。
◯ コーシン乳業のさまざまな歴史に触れることができた。調査を進めることで、牛乳への関心も高まった。
ー 69%の生徒が、インターン先企業について「よく知ることができた」と回答しました。「地元企業のインターン」という立場で関わることで、自分たちが暮らしている地域について、普段は関心を向けることがなかったものが見えてきたという生徒が多くいました。また、「インターン先企業についてよく知ることができた」と回答した生徒は87%でした。感想からもわかるように、少し名前を知っている程度だった地元企業の歴史や理念、仕事内容について深く知り、それがどのように地域を支えているのかを理解していました。
11. インターン先企業やそこでの仕事に興味を持つことができましたか?
12. 自分の得意なことや好きなことに気づくことができましたか?
◯ 近畿日本ツーリストの魅力がわかったし、この活動をとおして企業に対する興味も深まった。
◯ 今回のミッションに取り組んで、はじめて「牛乳の日」のことや、牛乳をとおして広がるつながりの可能性に気づくことができた。
◯ 昼休みなどにも集まって話し合うことをとおして協調性を学べた。このような複数人で行う作業は今後もあると思うので、そのときもチームワークを大切にしていきたい。
ー インターン先企業やそこでの仕事に興味を持つことができた生徒が72%いました。多くの生徒が、企業のこだわりを知ることで仕事の意義や魅力に気づいていました。
「自分の得意なことや好きなことに気づくことができましたか?」という質問には、65%の生徒が「とてもよくできた」「できた」と回答しました。感想には、チームで協力して問題を解決したり、ひとつのことをやり遂げる楽しさを知ったという声がありました。2年連続でチームで取り組む課題解決を行ったことにより、より多くの生徒が将来につながる自分の力を見出していたことがわかります。
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