インタビュー

新たなことに挑戦して得た学び〜仁川学院高校生徒インタビュー

2020年度、兵庫県の地元企業の課題解決に挑戦する『地元企業インターンワーク』に取り組み、全国大会『トゥワイス・アウォード』にも出場した仁川学院高校の生徒のみなさんに、今回の探究活動をとおしてどのようなことを学んだのかについて聞きました。

今回インタビューに応えてくれたのは、「株式会社万」のインターンとして活動した「バンザイ」チームの山本真瑞さん、才脇水奈さん、渡辺由香さん(仮名)、「株式会社ホンダカーズ兵庫」のインターンとして活動した「Cars」チームの宮下琴莉さんです。

 

初めての取り組みで不安だった最初の授業

Q. まず、『地元企業インターンワーク』の授業がはじまったときの感想を教えてください。

宮下さん:
私は人前での発表が得意ではないので、少し不安もありましたが、こういうインターンの活動は初めてで、「どんなことをするのかな?」と楽しみな気持ちもありました。

渡辺さん:
私も初めてのことで、「企業にアイディアを提案する」ということがどういうものなのか想像もつかなくて、大変そうだなと思っていました。しかも、集団行動に慣れていないので、チームの中であまりしゃべれないんじゃないか、具体的に何をすればいいのかと、不安でした。

山本さん:
私は、「難しそう」とはあまり思っていなくて、結構ノリでいけるかなぁと思っていました。これまで、チームで何かを発表する授業でもノリでできたことが多かったので、今回もそんな感じでいけるかなと思っていました。

 

「この人おもしろそう!」雑談からはじまるチームづくり

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Q. この授業は、チームでの取り組みでしたが、チームで活動するときに工夫したことはありますか?

山本さん:
チームは自分たちで決めたのではなく事前に決められていて、あまり話したことのない人とも組むことになったので、「男子、ちゃんとやるかなぁ」とか「みんなふざけて話ができないんじゃないかなぁ」と、チームとしてちゃんと全員で活動することができるのかな?と思っていました。

そうしたら、メンバーの中におもしろそうな人、ここにいる才脇さんなんですけど(笑)、がいることに気づいて、まずはそういう人と雑談したりすることでチームづくりができていったと思います。

 

Q. そのメンバー(才脇さん)のどんなところがおもしろそうだなと思ったんですか?

山本さん:
「私こう思うんだよね」といきなり考えを話してきたり、「ゴジラに最近ハマってるんだー」なんて言ってきたりして、おもしろい人だなと思いました(笑)。

そういうおもしろいことをポンポン言ってくれたので、私も「わあそうなの?」という感じで反応して、話がどんどん盛り上がっていきました。

 

リーダーとして行なったさまざまな工夫

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Q. チームリーダーだった渡辺さんは、チームで活動するときに工夫したことはありますか?

渡辺さん:
私はもともと、あまり自分から人に話しかけるタイプではないんですけど、リーダーとして少しでも相手のことを知ろうと思って、メンバーに話しかけにいくようにしていました。

具体的には、役割を分担して仕事を頼んだりしていましたね。

 

Q. リーダーはどうやって決めましたか?また、役割分担はどのようにしましたか?

渡辺さん:
リーダーを決める話し合いをした時に、誰も手を挙げずシーンとしてしまったので(笑)、経験としてやってみようかなと思って立候補しました。

役割分担は、例えば「アンケートを取る人はあなた」「調べものをする人はあなた」というふうに誰に何を任せるのかを考えて割り振っていきました。

 

Q. 「バンザイ」チームの話を聞いてきましたが、「Cars」チームではどうでしたか?

宮下さん:
企業からもらったミッションについてずっと考えていると、考えすぎてどんどん議論やアイディアがずれていってしまうことがよくありました。そういうときは改めてミッションを確認したり、先生や周りの人の客観的な意見を聞くようにしていました。

そういう内容のずれは、他チームに向けて中間発表をしたときや、スライドをつくり直したりしているときにも気づきましたね。

 

Q. プレゼン準備にはどれくらい時間をかけましたか?また、どんなふうに準備をしましたか?

才脇さん:
プレゼンの練習は家でもやりましたが、基本的には毎週1回の授業で準備をしていました。

宮下さん:
私たちのチームも、みんなでスライドをつくるときは結構家でもやりました。ただ授業の回数が多かったので、その中で計画的に進められました。
結構何回も改善を繰り返してましたね。

 

「“今、この状態で”何ができる?」という視点で物事を考えられるように

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Q. この取り組みの前後で考え方や姿勢に変化はありましたか?

山本さん:
企業のミッションに対するアイディアを出すときに、「コロナじゃなかったらその案は通用していたかもしれないけど、コロナの期間はダメ」という考え方があるのがわかって、「“今、この状態で”何ができる?」「どういう考え方だと通用する?」という視点で物事を考える意識が強まったと思います。

それは、このワーク以外の授業でいろんなことを考えるときにも意識するようになりました。

渡辺さん:
取り組み前は、グループ内でのやる気の温度差を感じていたんですけど、やっていくにつれてだんだんと、「協力しよう」「みんなでがんばってやろう」という意識が出てきたことを最近になってすごく実感しています。

 

Q. どういうきっかけで「みんなで協力しよう」という雰囲気になったんですか?

渡辺さん:
先生方が見守ってくれていたということも大きいんですが、プレゼンの本番が近づくにつれて、各自が担当するセリフを覚えようとしたり、みんなが一生懸命考えている姿勢が徐々に見えてきたことがきっかけになったと思います。

自分自身も、「どういうリーダーであるべきか?」ということをよく考えるようになっていました。

 

自分が「学びたい!」という気持ちで学ぶことは楽しい!

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Q. みなさんは、スキルアップ講座『TWICE PLAN サマー・スクール/オータム・スクール』にも参加していますね。参加した動機を教えてください。

渡辺さん:
この授業は、いきなり「はい、グループでがんばってやってね」という形だったので、いろいろとやり方がわからなくて、もしかしたら自分が知っている知識以外にも方法があるんじゃないか、それを知りたいと思って参加しました。

実際に、アイディアの出し方やプレゼンのやり方など、講座で学んだことをインターンの取り組みの中で使いました。

才脇さん:
私は、今回はこれまでやってきた学校内の発表と違って、企業に向けて、いわゆる本物のプレゼンテーションをするということだったので、プレゼンのときに何か役立てられたらいいなと思って参加しました。

宮下さん:
私も、これからのプレゼンに役立つかなと思って参加しました。講座では、スライドを見やすくする方法とか、ていねいに話すコツとか、プレゼンの仕方を学ぶことができました。

山本さん:
普通の学校の授業では、基本、すでに決められた内容のものを受けるという感じなので、興味がない状態で授業を受けることも多かったけど、このオータム・スクールは、たくさんの種類の講座から興味のあるものを選んで学べるのがいいなと思って参加しました。

こういう講座は学力には直接影響しないかもしれないけれど、自分が「学びたい」という気持ちを持って学ぶことは楽しいなと、あらためて思いました。

特に印象に残っているのは「リーダーシップ講座」で、リーダーの種類とか、心の持ちようについての話が聞けたのがとてもよかったです。

この講座を受ける前から誰かに言われていたこともあったけど、やっぱり自分から学びにいって聞く話と、それがなくて聞くのでは、聞いたときの感情が全く違っていました。もとから知っていたことでも、「ああやっぱりそういう考え方もあるんだよね」と再認識する機会になりました。

 

Q.みなさんは全国大会の出場も決まっていますが、全国大会のことは最初から意識して取り組んでいましたか?

宮下さん:
最初はそんなに意識していなかったんですけど、先生方から全国大会のことをいろいろ聞いて、やっていくうちにだんだん意識するようになりました。

才脇さん:
そうですね。もともとは「全国大会行くぞ」という感じではなかったんですけど、学校の外に向けて発表する機会ということで、気合を入れ直しました。

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最後に

その後、両チームは、3月の全国大会で優秀賞を受賞。

大会直前の意気込みでは、「自分たちで反省点や課題を分析して、声量や話すスピード、目線を改善して、私たちが伝えたいことを伝えられるように工夫しました」「話し方、伝え方を見直して、聞いている人の方をしっかりと見て、ゆっくりとはっきりと、身振り手振りをつけて話す練習を繰り返しました!」と伝えてくれました。

先生方も、「全国大会までの数週間で、何度もプレゼンを練習して、スライドも直前まで作り直すなど、最後までよいものにしようという意気込みを感じました」とおっしゃっていました。

発表を終えた両チームは、「準備したことがしっかり発揮できました」と笑顔で語っていました。

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自分自身でたくさんのことを考え、積極的にチャレンジしたことで、この先につながる新たな気づきを得ていた4人。

不安を自信に変えるために、今までやったことのないことにも積極的にチャレンジしてみることの重要性がとてもよく伝わるインタビューでした。
山本さん、才脇さん、渡辺さん、宮下さん、ありがとうございました!

<TWICE PLAN 冨ヶ原>