3月11日、東京家政大学を会場に第8回『トゥワイス・アウォード全国大会』が開催されました。
『トゥワイス・アウォード』とは?
トゥワイス・アウォードは、プロジェクト型学習『トゥワイス・プラン』のワークをとおして、その年度、特に成長した中学生・高校生のみなさんに贈られる賞です。2017年度は約9,000名の生徒が審査対象となりました。
今年の全国大会は、『企業インターンワーク(協力企業:江崎グリコ、大塚製薬、KDDI、日本航空、明治、森永乳業、ローソン)』『グローバルリサーチワーク』『人間ドキュメンタリーワーク』『自分史ワーク』『論文ワーク』の5部門。
2月23日、各校の先生方とトゥワイス・アウォード審査委員会による「1次審査」の結果が発表され、3月11日の全国大会「最終審査」に53組が出場しました。
審査方法
トゥワイス・アウォードの審査は、プレゼンテーションにおけるパフォーマンスだけではなく、そこに至るまでの過程を重視して、生徒ひとりひとりの取り組みを総合的に評価するため、「プロセス審査」と「パフォーマンス審査」の2つの視点で行われます。
多様な学びの機会
発表する生徒だけでなく、高校生スタッフとして江戸川女子高校5名、東京家政大学附属女子高校10名、桐光学園高校2名が運営をサポートしました。
それでは、大会の様子を時系列でレポートします。
第Ⅰ部 最終審査
朝9時、全国から集まった約330人で満席となった東京家政大学の三木ホール。
出場者の緊張が高まる中、第8回『トゥワイス・アウォード全国大会』の幕が開きました。
開会式の後、部門ごとに9教室に分かれて最終審査。
審査員、他校の生徒、先生方、保護者のみなさんが見守る中、発表チームはブラッシュアップを重ねたプレゼンテーションに自分たちの思いを込めて伝え切りました。
どのファイナリストも集中力を発揮。発表を受け取る側も一体になり、各教室が熱気に包まれました。
チームワークやプレゼンテーション、アイディア、情熱などさまざまな角度から審査が行われ、受賞者が決定。
第Ⅱ部 受賞者プレゼンテーション/授与式
昼休憩をはさみ、第Ⅱ部ではいよいよ各部門のグランプリと企業賞の発表です。
自分たちの名前が呼ばれて思わず手を取り喜びを分かち合う仲間たち。
受賞者発表に続き、今年度の頂点となる各部門グランプリ受賞者が大舞台でプレゼンテーション。
『企業インターンワーク部門』では、7社の最優秀チームが発表を行い、部門グランプリを競いました。
グランプリ、準グランプリ、企業賞の受賞者は以下のとおりです。
企業インターンワーク部門
グランプリ/日本航空賞
桐光学園高等学校「Unknown」チーム
機内に畳を敷くことでビジネスパーソンに和みを提供するという、斬新かつ説得力のあるプレゼン。発表中もメンバー間で巧みな連携プレーを発揮し、終始会場を盛り上げました。
準グランプリ/KDDI賞
明治大学付属明治高等学校「4 in formation」チーム
企画をつくるにあたり、綿密に項目を練ったアンケートを実施。それをもとに消費者の声を反映した学習支援アプリ「Jessie’s Labo」など3つの計画を提案。デザインとアプリの内容を一貫した世界観でまとめました。
江崎グリコ賞
豊島岡女子学園中学校「メガネー・lovely」チーム
アンケートの分析結果に基づき、成分・パッケージ・効果など細かく設計された機能性おやつ「眠眠ゼリー」を提案。内容と共にチームワークよく堂々としたプレゼンで聴衆を魅了しました。
大塚製薬賞
桐光学園高等学校「LOS Supporters」チーム
大塚製薬の企業理念に忠実に“革新的な製品”「宇宙食」をコンセプトにした栄養食を提案。優れた調査力と落ち着いた発表、「わかりやすさ」を考え抜いたPR映像で、説得力のあるプレゼンを披露。
明治賞
東海大学付属浦安高等学校「チームNEET」チーム
「スマホ」をチョコレートに見立てたユーモアたっぷりのストーリーで描き出したPR映像を制作。表現力豊かなプレゼンテーションによって、魅力たっぷりに“Bean to Bar”を伝えました。
森永乳業賞
明治大学付属明治高等学校「近藤ひのしずく」チーム
細部まで考えられたPR動画の企画提案に、高いリサーチ力と論理性が示されていました。大会当日の発表では、動画で使った替え歌を観客を巻き込んで合唱し、楽しく伝え切るプレゼンテーションを体現しました。
ローソン賞
北鎌倉女子学園中学校「karapoco」チーム
託児所やリラックスできる個室の設置、”会いたい人に会える”レジシステムなど、盛りだくさんの企画を寸劇を交えて提案。楽しく瑞々しいアイディアだけでなく、運営方法や仕組み、問題点・改善策をまとめました。
グローバルリサーチワーク部門
グランプリ
聖園女学院高等学校「AWESOME」チーム
世界の「食糧、平和」をテーマに調査しました。全て英語によるプレゼンテーションで、構成は論理的かつ明快。自分たちが見つけた課題の解決策を、周囲にアンケートを取って検証した姿勢は大変素晴らしいものでした。
準グランプリ
大阪成蹊女子高等学校「AI」チーム
世界の「教育」について調査しました。全く環境の違う南スーダン、アメリカ、日本の教育。その情報を取捨選択し、端的にまとめて発表しました。遠く離れた世界の現状を自分ごととして捉え、将来教育に携わる当事者として何ができるかを考えた内容でした。
人間ドキュメンタリーワーク部門
グランプリ
東京都市大学付属高等学校「NATA・DE・COCO」チーム
1次審査通過から大会前日までにプレゼン資料をブラッシュアップし、発表の練習を何度も重ねてきたチームの力を見事に発揮。田中角栄に関する数々の情報をまとめる力、彼の人生を伝えたいという情熱に溢れた発表でした。
準グランプリ
岩倉高等学校「ドナルド」チーム
ウォルト・ディズニーの生い立ちや功績、ミッキーやディズニーランドの誕生秘話を豊富な写真でわかりやすく説明。ウォルトへの尊敬と、”ディズニー”への愛情が感じられる、魅力的なプレゼンとなりました。
自分史ワーク部門
グランプリ
十文字中学校 太田千満
スペインへのサッカー留学の経験と、その体験で感じたことを発表。「世界で活躍するプロサッカー選手になる」という強い想い、その夢を支える親への感謝を伝えた、観客の心を打つプレゼンテーションでした。
準グランプリ
淑徳中学校 坂田倫里子
ピアノや演劇の経験を軸に、「表現することが大好き」という想いを伝え切りました。全国大会の舞台を心から楽しみ、自分のことをユーモアを交えて紹介する様子に、未来への希望が満ち溢れていました。
論文ワーク部門
グランプリ
大阪成蹊女子高等学校 宮里萌衣
自身の課題でもある「アスリートとしての身体づくり」。その課題に関する発見や理解を得て、自らが成長していく過程が感じられる論文。大勢の観客の前で緊張しながらも、終始誠実な姿勢で発表しました。
準グランプリ
湘南学園中学校 矢野葵
戦争というテーマにはじめて自分として向き合った時の疑問や想いが、まっすぐに伝わってくる発表。自分自身の問題として考えることの必要性を聞き手に想起させる強さがありました。
午前中の最終審査プレゼンからさらに勢いを増した発表と、チームの成長ぶりに盛り上がる会場。
大舞台での発表を終えた受賞者たちに、審査員から講評。
企業賞を受賞したチームには副賞が授与されました。
全ての発表が終わり、授与式へ。
生徒たちは晴れ晴れとした表情で表彰状を受け取っていました。
大会終了後、参加者のみなさんにいただいた感想の一部をご紹介します。
「同じ課題を受け取ってもそれぞれで捉え方がかなり違っていて『そういう考え方もあるのか!』と新しい発見があったのでとても楽しかったです」(生徒)
「緊張と楽しさがありました。自分たちの知っている教室内から外に出て、発表したり、他の発表をきくことがとても楽しく、実りのあるものだと実感できました。これから先にも自身の意見やグループの意見を発表する場はあると思うのですが、その時には”耳を傾ける”ことを忘れず、柔軟に取り組みたいと思います」(生徒)
「みんなで協力することと人に合わせることは違うことで、集団の中でも自分を出せることがよくわかりました」(生徒)
「私は授業に積極的な方ではなかったのですが、すごくよいチームに恵まれて、自分の特技でチームに貢献できてとてもうれしかったです」(生徒)
「今日見た発表をしていた同世代の人たちがすごくキラキラしていて、すごく刺激になった」(生徒)
「初対面の方々の前でも堂々とプレゼンする姿が見られ、生徒たちは今日一日の経験でさらに成長していました」(先生)
「学校という限られた世界にとどまらず、積極的に外に出ることの必要性を実感しました」(先生)
「人生経験・社会経験も少ない中、専門的なことばやその意味を知ることで、人間としての幅が広がったと思います。社会に出るための準備として、とても意義のある経験ですね」(保護者)
「各校共にレベルが高く、優劣をつけるのに苦労しました。中学生と高校生のレベル感にほとんど差がないのも今回かなり驚きました。発表チームは、まさに企業での仕事で重要なポイントを反映していて大変素晴らしかったです」(企業)
「自分の思いを伝えながらも、いかに仲間の思いにも共感してチームでひとつのものを創り上げていくか。これを学ぶのにこれほどの機会はないと感じました」(企業)
発表した生徒のみなさん、大変おつかれさまでした。
先生方、協力企業・審査員のみなさま、高校生・大学生・社会人スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
会場提供および大会の運営にご協力いただきました東京家政大学附属女子高校の先生方にも、心より感謝申し上げます。
TWICE PLAN